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『蛍雪の功』

 
4月の嬉しい別れ
 
小学校に入学と同時に入門し、修行を続けて来た僕の自慢の弟子ですが、今年念願叶い“防衛大学”に目出度く入学致しました。
 
自分の腹を叩かせ、蹴らせの13年でした。 
別れは決して嬉しいばかりではありませんでした。しかし両親のそれを思えば、 
空手の師匠の思いなど口に出せるものではありません。
 
せめて両親に代わって自慢させてもらうくらいのものです。 
浪人は、一回。受験期間も空手の試合こそ出なかったものの、稽古は休まずに続けました。

さらに、親に負担をかけたくない。その思いのため予備校も、塾にさえ行かない独学だったのです。

 

師匠の信頼と云えば格好よく、悪く言えば無責任。合格を確信していたのです。

 

4月に入ると防衛大は寄宿舎での生活が課され、教育を受ける事になります。 

まさに“蛍雪の功” ほたるの光、窓の雪です。嬉しく寂しいお別れでした。

 

いつか古巣に戻る日を待ちながら、見守りたいと思っています。

 

2011年4月21日

成嶋弘毅