· 

尊厳の取り違い

誇りや自尊心は下手に持つと自分も苦しみ相手にも不快感を与えるものです。 今考えますと若気の至りと、顔から火の出るほど恥ずかしく思えるエピソードが ありました。初めての就職先で(当時丸の内にあった英国の船会社)日本人ス タッフの先輩に昼休み”成さん、この牛乳瓶売店にかえしてお金をもらってれ“ と云われたのです。当時は瓶を返せばその分のお金が戻ったのです。それが 業務上の指示であれば当然イヤでも受け止めるところですが、業務でもなく、 それもそのような雑用を気楽に言いつけられた自分が許せなく、「はい、判りま した。」と、答えたまでは良かったのですが「所でその瓶はいくらですか。」と尋 ね聞き、その額を相手に手渡すとその場で瓶をくず箱に捨てたのです。

今思え ば自分がそれをされていたらどうしたかと反省するばかりです。若者が中途半 端な自尊心を重んじるのは可愛いくないことを知るのに随分と時間がかかりまし た。若僧の思い上がりと見られても仕方のない遠い昔の、人には語りずらい僕 の恥です。

 

2010年11月10日

一風