· 

やる気と専制

社会に出る以前の若者でも、一度イニシアティブを取る切っ掛けに恵まれると不思議に力と自信が自分自身の中から沸き出すものです。そしてその気持ちが成長とともに高じ、やる気を高揚し目的意識を強め事に臨むのは現代も昔も少しも変わりません。

 

されど、このモチベーションは両刃の剣でもあり相手も切れるが使い方次第で自分を傷つける場合もあるのです。相手を切れると言う表現は目的を果たす力と理解下さい。 

逆にじぶんを傷つけるとは、その力に反発される可能性を示しています。 

やる気は、ともすると専制の精神に繋がるのです。自分も含める人が厭う専制の主義に傾く危険性を秘めているのです。専制の精神とは、俺はこれだけやれる、更に前進するには他の人間を従わせ、この素晴らしい目的を達成するのだと言うヒトラーの独裁です。やる方はそれで良し、されどそれを押し付けられる方はどうでしょうか。言うまでもない事です。反発が出ます。出ないとしても水面下で静かに不満が育ち、衰えの見えた所でそれがネガティブな方向へ大きく傾いて行くものです。簡単な表現をすれば一寸の虫にも五分の魂です。侮ってはなりません。何十トンも持ち上げるクレーンでも砂の土台で使用すれば説明するまでもなく結果は歴然としてます。基礎や支えがあっての力である事を知った上で使う力でなくてはなりません。自信の切っ掛けが破滅の切っ掛けにもなると言うお話です。

 

モチベーションとは、思い上がり、独善の独裁を生む怖い切っ掛けにもなるのです。 

間もなく終戦記念日ですが、あの戦争を終結させた原爆も正にそれです。用い方では大変なエネルギーともなり、大量殺戮の忌まわしい兵器にもなることは結果が我々に思い知らせています。それは若者に伝えたい、伝えなければならないのはモチベーションの平和利用方なのです。現代の結果重視の企業への警鐘でもあります。過度なモチベーションの中和剤とは“仁”と“義”の理解しかありません。それを無視してはなりません。

 

結果だけを目的にしたモチベーションは百害あって一利なしと言い切れます。それは歴史が如実に示してくれています。僕の持論ではないのです。 

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

注釈: 

両刃の剣=両方に刃が付いているので相手も切るが返しの刀で自分も傷つける 

専制=権力を笠に己の独断を欲しいままにする行為

 

2010年8月11日

一風