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人間模様と空模様

春は何時も通り変わり易い天気に体調を崩してしまう方も多い事と察します。
 
空模様も人間模様も同じこと。日が照れば暖かく、日が翳れば寒くなるものです。どちらも猫の目のように変わるからこそ変わらないことを求めるのでしょうが、自然にも春夏秋冬と四季があり人の人生にも朝、昼、晩の区切りが設けられています。僕が考える勤人としての人生を引退した後には表舞台から退きながらも人に疎まれず、侮られず。淡々と信じる道を歩みたいと思っています。勤めを終えた後の個人に引退はありません。武術家としての修行は終わりがなく、また空手を基に教育者としての執筆、講演、教育に道場の運営と多分あまり退屈しない余生になるでしょう。後は自分の意のままに行動が出来るのです。嬉しい以上に遠い昔に居た何か懐かしい処に立ち戻る気がします。故郷に帰るのです。その日を待ってはくれず既に居なくなってしまった友達を思えば残念ですが、僕の記憶の中では全てが皆永遠なのです。
 
そんな思いを胸に、今年は連休の始めに僕の最後のお勤めを側で丸5年間見守り、付き合って来た末娘に感謝を込めて蓼科の旅に誘いました。予定も立てず時間に追われずの旅。気ままに訪れた神社や牧場。目に飛び込んで来た看板に惹かれての陶芸の体験。イングリッシュガーデンでの散歩は未だ桜が散り残っている位に寒く、花盛りの庭は見ることが出来ませんでしたが、父と娘が過ごした時間は貴重な想い出です。親子でもお互いに知らなかった想い出話も沢山あるものです。僕はあと2年で齢70歳を迎えます。勤人を引退した後の人間模様はどう変わるのでしょう。昼から午後と、その残日を迎えようとしている人生の節目に当たって天気にも恵まれたとても有意義な休日でした。
 
日は残り、暮れるに未だ遠しとは云え帳の一瞬を感じます。
 
2010年5月7日
一風