人間は赤ちゃんからまだ遠くない子供の時から自由を奪われたり意志と異なる事を押し付けられるのには反射的にネガティブな反応を示すものです。特に封建的な時代の日本の軍隊では強要とか権力による圧迫は当然と云う印象があります。しかし、その中にあって押しつけではない自己啓発の方法を解いたたとえをご紹介したいと思います。
それは日本の海軍兵学校に伝わった『五省』と呼ばれる自己のあり方を確認し啓発を誘うものなのです。次の通りです:ー
1、至誠に悖るなかりしか (悖る=もとる)
2、言行に恥ずるなかりしか
3、気力に欠くるなかりしか
4、努力に憾みなかりしか (憾み=うらみ)
5、不精に亘るなかりしか (亘る=わたる)
上の解釈:ー
1ー心に反することはなかったか
2ー言動に恥ずかしいことはなかったか
3ー気力を欠くことはなかったか
4ー努力が今一と悔いるようなことはなかったか
5ー面倒くさがってなまけはしなかったか
人は圧力を受けることを本能的に嫌いながら、その圧力に対し心を偽ったり、反抗しながらも恥じるようなこと言い、してしまう場合があるのです。
体制や権力に抗う反面無気力に時を浪費し、なすべき努力も中途半端になり、自由を求めながらつい怠惰に陥り己を喪失しながらも正当化に慣れてしまう面倒くさい生き物なのです。この五省はその心の動きを自分自身で確認し自覚を誘い戒める方法であると思います。
お読み頂き、それが”訓”とかの教えなどではない事が判ります。
如何ですか、一日の終わりに自己確認をし、明日につなげる習慣を持つのも悪くないかと思いお勧めしました。
2008年5月末日
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