間もなく春が訪れ桜や蓮翹(レンギョウ)の花々が咲き、同時に沈丁花が匂い鳥がさえずり春を告げます。
中でもその美しさを誇り咲く“桜”は日本が誇るべきものだと思います。
しかし、その優雅な花は驚くほど早く散ってしまうのです。だからこそその花を愛し惜しむ人が多いのでしょう。
世に絶えて
桜のはなのなかりせば
春の心はのどけからまし
と、散るをきずかい落ち着かなさを詠ったものですが、その心をいさめるように、
散らばこそ
いとど桜はめでたけれ
この世に何ぞ久しかるべし
と、詠ったものもあります。諸行無常を感じさせる詩ですが正に真理です。
日本人は桜を潔さ(いさぎよさ)の象徴として来ました。
敷島の大和心を人とはば
朝日に匂う山桜花
本居宣長
この詩はその最たるものだと思います。清く美しい日本の春です。
2008年2月末日
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