なおその美徳に心が動きます。
僕が好きな武士道の部分は単純なのです。侍と云う身分が日本から消えた今、
もしその生き方(あえて思想とは云いません)を無理なく残すとすれば、
一に『義』で、それは人の道であり道理で、行動を起こす原理となり、ためら
うことなく決断する力をえられます。
二に『名誉』が来ます。その気高さを支える観念が「任」と「勇」だと
思っています。但し、『義』も『名誉』もその解き方により逆方向へと
道を間違える危険性を常に含んでいることも忘れてはなりません。
現代を侍に近い生き方で通すならば『義』も『名誉』も今の常識に合わせ
それを支える「任」「勇」「知」「礼」の徳を理解する事ではないかと思い
その探究に今も余念がありません。
なお、面白いのは侍の求めた知識とは、専門分野は専門家に委ね、自分は
武術の錬磨、心身の鍛練、読書からの知識と武士道の探究はもとより、
もっぱら品性を作り上げることを重要な目的とし、芸術的教養が武士の
教育上重要な役割を占めたと云います。茶の湯や和歌などもその良い例でしょ
う。かと云え知的優秀さが尊ばれたことは勿論のことですが武家社会では大し
た地位は与えられていなかったようです。何故ならば、武士の本分は「武」で
あったからです。
僕の理解する現代に残る武士道とはざっと上げて以上です。
『義』と『名誉』とそれに不随する観念に興味があれば一緒に勉強して
見ませんか。
塾長 成嶋弘毅
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